大人より子供のほうが純粋だと思っていた
『旅と小鳥と金木犀』は女優・石田ゆり子さんの日記のようなエッセイです。
『天然日和』というエッセイの2冊目になります。
この本に「大人になるほど人は純粋になる」という言葉がありました。
私はこの言葉にとても驚きました。
子供のほうが純粋だと思っていたからです。
大人になると、汚い自分を知ることが多くなります。
嫉妬したり、この人よりはマシだと人と比べて安心したり。
そんな自分を知るたびに、自分が嫌になっていきました。
「子供のころの自分のほうが、絶対優しかった」
「大人になった私は汚い、純粋じゃない」
ずっと、そう思っていたました。
汚い感情は自分の願いを教えてくれる
この言葉の後、石田さんはこう綴っています。
私は、人は本来、大人になるほど「そのひと自身」になるものだと思う。
若いときは、自分が何を好きなのか、本当に何をしたいのか、がよくわからない状態。暗中模索、である。
もちろんそれはとても大事なことで、その時期があるからこそ、大人になるにしたがってそぎ落とされ、純粋に純粋になるものだと思うのだが。
「旅と小鳥と金木犀 天然日和2」より
子供の純粋は、何も知らないが故のまっしろな純粋。
大人の純粋は色々知って、経験して作り上げていくものなのかもと思いました。
そう思えば、汚い感情を持つ自分がいることを知るのも、意味がある気がします。
汚い感情の意味を考えてみて、気づきました。
汚い感情の奥底にあるのは、こうありたいという願いなのかもしれない。
人に嫉妬するのは、「自分もこうなりたい・欲しい」という願い。
人より勝るところを見つけたがるのは、「自分を認めたい」という願い。
汚い感情は、自分の願いを教えてくれるもの。
願いに気づいたら、その願いをどうするかも考えられます。
例えば、
- 嫉妬する→「自分もこうなりたい・欲しい」→叶えたい願いなら、行動する
- 人より勝るとこを見つけたがる→「自分を認めたい」→ありのままの自分を受け入れる
こうやって、気づいて考えて行動していくことが、「自分」を作っていくのかもしれません。
自分を作るヒントになる
人をいたずらに傷つけなければ、汚い感情を持つことは悪いことばかりじゃないです。
願いを教えてくれて、「自分」を作るヒントをくれます。
知って学んで、経験して、「自分」を作っていって純粋な大人になっていきたいなと思いました。
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